台本が同じなら同じドラマが出来上がると思うならあなたはドラマを知らない。映像のワンカット、セリフの一つをとっても監督の思いを反映せずに作品に盛り込まれるものはない。監督は作品という分身を作り出しているのである。例えばこの人。中江功監督。年間9ヶ月以上連続ドラマを担当するという驚異的な活躍で知られている。ヤングシナリオ大賞ラヴシュミレーションでデビュー。以降主なものだけでも、「この世の果て」「若者のすべて」「いつかまた会える」「ピュア」「翼をください」「おいしい関係」と枚挙にいとまがない。フジテレビトレンディードラマを担ってきた人物なのだ。同じ脚本に毎回別の監督がチャレンジするこの番組。三谷幸喜書き下ろしの脚本を連続ドラマのエースがどう演出してみせるのか。開幕のベルを鳴らすことにしよう。